おじさん
モンハンワイルズの推奨スペック見たけど、RTX 4060使ってDLSS 3.5のフレーム生成ありきでフルHD60fpsしか出ないの…低予算PCしか選択肢にないユーザーは置き去りじゃん。
(ZACK IT編集)
事前情報では結構なハイスペPCを要求して来ていることで話題になったよね。
でも実際に当サイトで検証したらRYZEN 5 8600GとRTX4060の組み合わせで圧倒的なフレームレートを維持することに成功したんだ。この自作PC構成は予算15万もあれば組めるよ。ただあくまで「Betaテスト時点」で検証した結果だから製品版では同じfpsが出る保証はできないけどね。
モンスターハンターワイルズについて
MHシリーズ最新作「モンスターハンターワイルズ」は、多くのプレイヤーにとって待望のタイトル。Tokyo Game Show 2024(TGS2024)でもカプコンブースは大盛況となるなど、今年最も話題になった最新作ゲームであることは明白だろう。「モンスターハンターワイルズ」は、従来のモンハンシリーズの基礎を受け継ぎながらも、より豊かな自然環境やオープンワールドシステムを実装し、より世界に没入できる要素が目白押し。
対応プラットフォームはPC(Steam)、PS5、Xbox Series X/Sと多岐にわたり、Steam版はより高解像度や高リフレッシュレートに対応。ある程度コンテンツを楽しみたいだけであればゲーム機、がっつり高解像度&高フレームレート安定志向であればゲーミングPCで楽しみたいところだろう。
筆者はPSP(ポータブルシリーズ)以来の狩猟生活となりそうだが、Betaでプレイ可能なコンテンツだけでもワクワクが止まらない最高の出来となっていたので狩人は発売日をお楽しみに!
モンハンワイルズの発売日はいつ?
「モンスターハンター ワイルズ」の正式な発売日はすでに公式から発表済みで、2025年2月28日となっている。そして今回のBetaテストは、PlayStation Plus加入者は10月29日から10月31日まで、そしてそれ以外のSteam版を含むプラットフォームでは11月1日から4日までプレイ可能だった。
ワイルズの最小/推奨スペックは?
ワイルズの動作に求められるスペックは高めで、発表された際にはXを含むSNSでは騒然となり一時トレンド入りを果たした。
公式によると、フルHD60fpsを快適に動作させるには比較的最新のハイスペックなCPUとGPUが推奨されている。
項目 | 最小動作環境 | 推奨動作環境 |
---|---|---|
解像度 | 1080p(フルHD) | 1080p(フルHD) |
OS | Windows 10 (64-bit 必須) | Windows 10 (64-bit 必須) |
プロセッサ | Intel Core i5-10600 Intel Core i3-12100F AMD Ryzen 5 3600 | Intel Core i5-11600K Intel Core i5-12400 AMD Ryzen 5 5500 |
メモリー | 16GB | 16GB |
グラフィックカード | NVIDIA GeForce GTX 1660 Super AMD Radeon RX 5600 XT | NVIDIA GeForce RTX 2070 Super NVIDIA GeForce RTX 4060 |
VRAM | 6GB | 8GB |
ストレージ | 140GB SSD | 140GB SSD |
備考 | 中設定、1080p(アップスケール)、30fps | 中設定、1080p(アップスケール)、60fps、フレーム生成前提 |
とはいえ当サイトでの検証の結果、特定の構成である機能を使うことで15万円前後で組み立て可能なミドルスペックにも関わらず圧倒的な高解像度&高フレームレートで狩猟生活を堪能できそうなことが判明したため、記事にすることとした。
検証に使うPC構成リスト
構成は下記。当サイトでは何度もこすり倒された構成に、今回初めてNVIDIA Geforce RTX 4060 8GBを追加搭載。PCケースからは出し、オープンフレームでエアコンなし室温23~24℃で測定。
パーツ | 型番・品名 | 備考 | 価格 |
OS | Windows 11 Home 23H2 | 最新Update済(24/8時点) | Amazon |
CPU | AMD Ryzen 5 8600G BOX | GeForce Game Ready 566.03 | Amazon |
GPU | AMD Radeon 760M(APU内蔵) | Adrenalin Edition 24.10.1 | |
GPU2 | PNY Geforce RTX4060 8GB VETRO Dual Fan OC White | 白グラボ | Amazon |
クーラー | AK400 DIGITAL WH | 白クーラー | Amazon |
M/B | B650M AORUS ELITE AX ICE | 白マザー | Amazon |
メモリ | CMH32GX5M2E6000C36W | 白メモリ | Amazon |
SSD | Samsung 990 EVO 1TB | Amazon | |
電源 | SST-DA750R-GMA-WWW | 白電源 | Amazon |
8600GはUEFIでPrecision Boost OverDrive(PBO)有効化/DDR 5 RAMはXMPで6000Mhz駆動させている点は定格とは違うため注意。
この構成におけるキモは何といっても、AMD RYZEN 5 8600Gとその内蔵グラフィックのAMD Radeon 760M。もちろんRTX4060も重要なのは言うまでもないがビデオ出力はグラフィックボード側とマザーボード(CPU内蔵グラフィック)側でゲーム性能は変わるのかどうかも検証。
8600G、正確に言えばグラフィックドライバーであるAMD Software:Adrenalin Editionで使用可能なAMD Fluid Motion Frame 2(AFMF 2)が検証のメイントピックとなる。AFMF 2の利用自体はマザボ側のビデオ端子に接続する必要がある(RTX4060がwからは利用できない)が、まずはAFMF無しのフレームレートを検証する為、AFMF 2なしの両端子接続したパターンで計測。
そもそも、APUという製品を知っている自作PCユーザーの中には、グラフィックボードの増設に懐疑的に人もいるだろう。なぜならAMDの歴代APUは内蔵グラフィック性能が安価なグラボ並みの性能を誇る一方で、基本的にCPU直結のPCIEレーン数が通常のRYZENシリーズの半分、すなわちx8で、現行である8700G/8600Gも同様となるため高性能グラフィックカードを追加搭載すると転送速度が若干のボトルネックとなると知っているからだ。
しかし、今回使用するRTX4060 8GBはそもそもPCIE 4.0 x8。CPUレーン自体がボトルネックにはならないため問題ないと考えている。というよりも今回AFMF 2の威力を解説していくが仮にレーンのボトルネックが数%発生したとしても余りある性能飛躍となるため目をつぶれるレベルだ。ただし多くのゲームで検証したわけではなく今回は「モンハンワイルズ」のみでの検証であることは念頭に置く必要がある。
今回他のメディアでも話題性の高いモンハンワイルズのBeta版グラフィック検証は公開されている。しかしAFMF 2もっと言うならAMDのAPU製品にフォーカスをあてて検証しているメディアは世界中どこを探してもココくらいではないだろうか。正直筆者個人的にはこのAFMF 2がGeforceと多くのゲームタイトルで共存できると仮定した場合、自作PCやBTO PC構成の常識さえをも覆すこととなるほどの破壊力だと考えている。Intel/AMD両社ともCore i5/Core Ultra 5/RYZEN 5等ミドルクラスゲーミング向けのCPUを数多くリリースしているが、ハイエンドクラスはともかく正直このRYZEN 5(APU)とRTXシリーズのミドルクラス構成では最適解になる時代も来るのかもしれない。
先日公開したAFMF検証記事ではAFMF 2はまだベータ版ドライバーでのみ提供されていたがいつのまにか正式版においてもAFMF 2が利用可能となっていたため急ぎアップデートをして検証した。
AFMF(AMD Fluid Motion Frames)とは?
AFMF(AMD Fluid Motion Frames)は、AMDが開発したフレーム生成技術で、ゲームシステムに組み込まれる同じくAMD開発のFSR 3(ゲーム側の対応必須)とはまた別の技術となる。ドライバー側で中間フレームを生成し、動きの滑らかさを向上させる技術だ。AFMFはゲーム側の対応が不要というのが使いやすいポイントだが快適動作する場合とそうでない場合があるためまだ課題の多い機能であることに注意。
AFMF自体は以前から提供されていたものの、AFMF 2が正式版ドライバーに組み込まれたことによって、前バージョンと比べて精度と遅延が大幅に向上している。特に、カメラ視点が急激に変化させてしまうと残像が出たりコマ落ちが目立っていたがそのあたりの補完フレームの生成がかなり改善されているように今回検証していて感じた。
また、最新のDLSS 3.5やFSR 3との併用により、ミドルスペックPCでも高フレームレートで快適なゲーム体験が可能になっているが完全ではないのか、時折プレイヤーのゴーストというか残像が発生することはある。そのため、それなりに低予算ゲーミングPCユーザーにとっては強い武器になることは間違いないが、勿論万能の神ではないことは付け加えておく。
AFMF(AMD Fluid Motion Frames)の設定方法
まず、Radeon系のRX 7000シリーズグラフィックカードもしくはRYZEN 7000シリーズ以降のAPU(モバイル/デスクトップ)が動作対象であることは先に明示しておくが、対応グラボもしくはAPUを用意した状態で最新のAdrenalin Editionを起動。そして「ゲーム」の項目にあるゲームタイトルごとにAFMF 2にチェックを入れるもしくはゲーム全体にAFMF 2を有効化することで利用可能となる。簡単すぎ…。
AFMF 2がサポートしている画面設定はフルスクリーンモードもしくはボーダーレスフルスクリーン。ウィンドウモードはサポートされていないようなので注意。