ピラーレスケースを使って魅せる自作ゲーミングパソコンを作りたい!
Antec CX200M RGB ELITE WHITEはコスパ良いしどうだろう?
(ZACK IT編集)
ちょっと待って!
Antec CX200M RGB ELITE WHITEは
一見コスパのいい洗練されたデザインのケースだけど、
使ってみると結構気になるところあるから解説するよ!
Antec CX200M RGB ELITE WHITE スペック概要
主な特徴
- トレンドのピラーレスガラスケース
- 120mm RGBファン×5搭載
- 最大330mmの拡張カード(グラボ等)搭載可能
- 高さ164mmまでのCPUクーラーに対応
- メッシュフィルターをトップとボトムに搭載(トップはマグネット式)
グラボの長さも330mmまで入るとのことなので、ゲーミングPCを組む場合にでも選択肢の一つに入ることになるだろう。
想定ターゲット
本記事は案件ではなく編集部自腹購入の為あくまで”ZACK IT的こんな人にオススメ”を紹介する。
- 1万円以下でピラーレスのガラスケースでホワイト(白)の統一感を出した自作ゲーミングPCを組みたい
- 初期装備でファンがたくさん搭載されたケースを買いたい
- フルタワー・ミドルタワーは大きいのでミニタワー以下のコンパクトPCが欲しい
主な付属品/説明書
- ねじ類・予備拡張スロットカバー
- ケーブルタイ(白)
- インストレーションガイド(簡易マニュアル)
インストレーションガイドは説明書のようなものだが非常に簡素で付属品が何がどれくらい入っているかの記載はない。あくまで組み立ての手順を簡易的に説明しているものにすぎないので注意。
もしこのインストレーションガイドをなくしてしまった場合にはAntecの製品ページの”DOWNLOAD”リンクから入手が可能だ。
価格.comでの評判
2024年2月発売の当製品だが、価格.comでは既に人気売れ筋ランキング2位という比較的高い注目度と売り上げがあるのは間違いない。※2024/3/10時点
実際のところフロント/サイドの2面強化ガラス製であることを考えればコスパが高いというのは言うまでもない。
ケースのサイズは?
当製品の特長の一つとして、ピラーレスケースではミドルタワーケースが多いがこちらは安価で小型なミニタワーケースだということ。
ミドルタワーだと対応しているATXマザーは使用不可でMicro-ATXもしくはMini-ITXのみの対応となる。マザーの選択肢が少ない代わりに小型化を実現したコスパケースだ。
ケース幅 | ケース奥行き | ケース高さ |
210mm | 350mm | 392mm |
幅が210mmというのはそこまで特別スリムでもないが、奥行き、高さともに40cmを切るサイズ感となっており、机下に入れる際や、奥行きの底まで大きくない机に載せる際などにありがたい。
このサイズ感で30cmを超えるグラフィックボードや売れ筋のCPU再度フロークーラーを搭載できるのだから拡張性としては申し分ないといえる。
実際に組んでみた
主な構成
ケースのカラーがホワイトの為他のパーツ各種も極力白に合わせられるよう調達した。
特に白マザーに関しては中々選択肢がない中でGIGABYTEの”B650M AORUS ELITE AX ICE”を今回は使用した。こちらに関しては後日別途レビュー記事も公開予定なのでぜひ読んでいただきたい。
パーツ | 型番・品名 | 備考 |
ケース | CX200M RGB ELITE WHITE(当製品) | 白ケース |
CPU | AMD Ryzen 5 8600G BOX | |
クーラー | AK400 DIGITAL WH | 白クーラー |
M/B | B650M AORUS ELITE AX ICE | 白マザー |
メモリ | CMH32GX5M2E6000C36W | 白メモリ |
SSD | Lexar NM790 2TB | |
電源 | SST-DA750R-GMA-WWW | 白電源 |
外観・デザイン
秋葉原のパーツショップでケースコーナーに展示機が出ておりほぼひとめぼれ。筆者の指名買いなだけあって、なるほどデザインは個人的にとても好みだ。
メリット
実際組んでみて感じたメリットを上げていく。
デザイン
デザインに関していうと、細かい部品に至る細部までほぼ全て白で統一されており95点だ。(5点減点分は後述)
向かって左前部のピラー(支柱)がないことで、実際のサイズ感よりも大分メンテナンスホールが広々とした印象がうかがえる。
それはまるでデパートのショーウィンドウを彷彿とさせる設計で、中の商品をずっと見ていられる。
小ぶりなミニタワーケースだが、フロント部分は通常よくあるフロントファンやフロントベイが一切ないためフロントスペースが大分余裕がある印象。配線が適当だとフロント/サイドが強化ガラスパネルの為、目立つため裏配線はほぼ必須だろう。
裏配線用のスペースだが十分であると感じる。今回の構成だとM.2 SSDのみの為SATA電源ケーブルなど使用せず配線は最低限にはなっているものの、仮に配線が増えても裏のスペースが足りない事態には陥らないだろう。(そもそも2.5/3/5ドライブはPSUカバーの下である為配線が表に出ることはないが)
また、1万円以下の安価ケースではあるものの、メンテナンスホールや裏配線スペースに至るまで気になるけがをしそうないわゆる”バリ”はなかった為、ケース加工のクオリティも悪くない印象。
鉄板の厚みは若干薄く、持った感じも軽いのでやはり高級ケースの重厚感からは程遠く、現実に引き戻される印象だが、この価格であれば致し方なしであろう。
デメリット
続いてこのケースに関するデメリットを紹介する。
当ケースの購入を検討しているユーザーがぜひとも今章を吟味したうえで実際購入に進んでいただきたい。
パーツ干渉
当製品はミニタワーケースとして著しく小型という訳ではないはずなのだが、PSUカバーで区切った上、カバー上に25mm厚の通常ファンが搭載されてしまっているためそれを活かそうとするならば、MicroATXが対応可能である旨を謳って販売されている現状は正直意地悪なのではないかというほど使用制限が起こる。下記の画像を見てほしい。
前述のPC構成リストにも記載した通り筆者はこのケースをMicroATXにて組み立てた。
画像青枠線で囲んでいるのは隠れているPCI Express x16の2スロット目である。
御覧の通りボトムのファン2つを活かすのであれば、2スロット目は例え1スロカードであっても犠牲にせざるを得ず、そうした使用制限が起こるのであればITXマザーと拡張性がほぼ変わらずMicroATXをこのケースで選ぶ理由は価格以外に存在しなくなる
他にも組み立て時に気になった点・注意点を画像と共に紹介する。
搭載ファンはARGBではない
ここに関しては購入前から分かることなので今回は納得の上で購入したものの、RGBとARGBについてまだよくわからない自作初心者向けにざっくりいうと、他のLEDパーツとの色制御を行うことができるのがARGB(アドレッサブルRGB)である。当製品はそれができないただのRGBファンである。
正直そのあたりのコストカットあっての1万円未満ピラーレスホワイト(白)ケースなのだろう。
LED周りでおまけを言うと、電源ボタンが青いLEDで古臭い。USB3.0は通常青なのに対して、きちんと白で統一するこだわりを見せているにもかかわらずだ。残念である。ここが前述のデザイン95点にした所以だ。5点減点。
ファンの騒音・回転制御ができない
煩い。以上である。
ペリフェラルピンのファンの為回転数を制御できず、スペックシートに回転数が見当たらなかったものの、Ryzen 5 8600Gに付属していたWraithクーラーよりうるさいので相当だ。
ところで代理店であるリンクスのページにはファンの詳細について以下のように”fixed mode RGBファン”という記述がある。
”fixed mode”というのはつまり固定モードという意味なのでライティングも回転数も弄れないであろうことは購入前に理解できるが、回転数(RPM)の記載などがあるとスペック表としてはなおうれしいところではある。
このケース自体作りもよく、デザインもおおむね洗練されておりコスパもよいので購入したいユーザーはぜひとも回転制御可能かつARGBファンへの換装も視野に入れておこう。もっと言うなら20mm厚未満のファンを選択するとより取り回しが楽になるだろう。
まとめ
長くなったがこのケースはスタイリッシュなデザインで昨今トレンドの白いピラーレスケースのコスパモデルということで価格.comでもランキング1位~2位にランクインするほどの注目ケースであるが、購入前に注意しておかなければならない点が多く、中々「自作初心者」が買うべきではないPCケース製品であると本記事では結論付けたい。
それでもこの記事を読んでいただいて、「じゃあITXで組めば問題なさそうだな」とか、「ケースファンはARGBファンに換装するか」となっていただいた読者はぜひこのケースを購入検討してみてもいいかもしれない。
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