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【こんなスペックで大丈夫?】RYZEN 5 8600GでモンハンワイルズBetaに参加!?各設定項目ごとにフレームレート検証してみた その1

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お財布寒々<br>おじさん
お財布寒々
おじさん

モンハンワイルズの推奨スペック見たけど、RTX 4060使ってDLSS 3.5のフレーム生成ありきでフルHD60fpsしか出ないの…低予算PCしか選択肢にないユーザーは置き去りじゃん。

Kotack<br>(ZACK IT編集)
Kotack
(ZACK IT編集)

事前情報では結構なハイスペPCを要求して来ていることで話題になったよね。

でも実際に当サイトで検証したらRYZEN 5 8600GとRTX4060の組み合わせで圧倒的なフレームレートを維持することに成功したんだ。この自作PC構成は予算15万もあれば組めるよ。ただあくまで「Betaテスト時点」で検証した結果だから製品版では同じfpsが出る保証はできないけどね。

本記事では、今話題の「モンスターハンターワイルズBeta」で各種設定ごとのフレームレート検証結果を公開第1弾。長くなってしまうため2部構成にしてあるので最後までお付き合いいただきたい。

中々GeforceユーザーでもXX70やXX80といったハイエンド構成を持っているのは少数派でXX60のミドルスペックGPUを構成するユーザーがボリュームゾーンであることはSteamのハードウェア調査データからもわかっているが、「RTX4060で高解像度でも平均60fpsでればいいな」と願っているユーザーも少なくないだろう。今回ZACK ITではミドルスペックでも200fps越えを実現したので、その情報を公開。

低予算ゲーミングPCユーザー必見の内容だ。

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モンスターハンターワイルズについて

MHシリーズ最新作「モンスターハンターワイルズ」は、多くのプレイヤーにとって待望のタイトル。Tokyo Game Show 2024(TGS2024)でもカプコンブースは大盛況となるなど、今年最も話題になった最新作ゲームであることは明白だろう。「モンスターハンターワイルズ」は、従来のモンハンシリーズの基礎を受け継ぎながらも、より豊かな自然環境やオープンワールドシステムを実装し、より世界に没入できる要素が目白押し。

対応プラットフォームはPC(Steam)、PS5、Xbox Series X/Sと多岐にわたり、Steam版はより高解像度や高リフレッシュレートに対応。ある程度コンテンツを楽しみたいだけであればゲーム機、がっつり高解像度&高フレームレート安定志向であればゲーミングPCで楽しみたいところだろう。

筆者はPSP(ポータブルシリーズ)以来の狩猟生活となりそうだが、Betaでプレイ可能なコンテンツだけでもワクワクが止まらない最高の出来となっていたので狩人は発売日をお楽しみに!

『モンスターハンターワイルズ』オープンベータテスト実施! |モンスターハンターワイルズ|CAPCOM
2025年2月28日(金)の発売に先駆け、より多くの方に体験いただきたく、オープンベータテスト(OBT)を実施いたします。OBTに参加すると、製品版で使用できる特典を入手できます。ぜひご参加ください。

モンハンワイルズの発売日はいつ?

「モンスターハンター ワイルズ」の正式な発売日はすでに公式から発表済みで、2025年2月28日となっている。そして今回のBetaテストは、PlayStation Plus加入者は10月29日から10月31日まで、そしてそれ以外のSteam版を含むプラットフォームでは11月1日から4日までプレイ可能だった。

ワイルズの最小/推奨スペックは?

ワイルズの動作に求められるスペックは高めで、発表された際にはXを含むSNSでは騒然となり一時トレンド入りを果たした。

公式によると、フルHD60fpsを快適に動作させるには比較的最新のハイスペックなCPUとGPUが推奨されている。

項目最小動作環境推奨動作環境
解像度1080p(フルHD)1080p(フルHD)
OSWindows 10 (64-bit 必須)Windows 10 (64-bit 必須)
プロセッサIntel Core i5-10600
Intel Core i3-12100F
AMD Ryzen 5 3600
Intel Core i5-11600K
Intel Core i5-12400
AMD Ryzen 5 5500
メモリー16GB16GB
グラフィックカードNVIDIA GeForce GTX 1660 Super
AMD Radeon RX 5600 XT
NVIDIA GeForce RTX 2070 Super
NVIDIA GeForce RTX 4060
VRAM6GB8GB
ストレージ140GB SSD140GB SSD
備考中設定、1080p(アップスケール)、30fps中設定、1080p(アップスケール)、60fps、フレーム生成前提

とはいえ当サイトでの検証の結果、特定の構成である機能を使うことで15万円前後で組み立て可能なミドルスペックにも関わらず圧倒的な高解像度&高フレームレートで狩猟生活を堪能できそうなことが判明したため、記事にすることとした。

検証に使うPC構成リスト

構成は下記。当サイトでは何度もこすり倒された構成に、今回初めてNVIDIA Geforce RTX 4060 8GBを追加搭載。PCケースからは出し、オープンフレームでエアコンなし室温23~24℃で測定。

パーツ型番・品名備考価格
OSWindows 11 Home 23H2最新Update済(24/8時点)Amazon
CPUAMD Ryzen 5 8600G BOXGeForce Game Ready 566.03Amazon
GPUAMD Radeon 760M(APU内蔵)Adrenalin Edition 24.10.1
GPU2PNY Geforce RTX4060 8GB
VETRO Dual Fan OC White
白グラボAmazon
クーラーAK400 DIGITAL WH白クーラーAmazon
M/BB650M AORUS ELITE AX ICE白マザーAmazon
メモリCMH32GX5M2E6000C36W白メモリAmazon
SSDSamsung 990 EVO 1TBAmazon
電源SST-DA750R-GMA-WWW白電源Amazon

8600GはUEFIでPrecision Boost OverDrive(PBO)有効化/DDR 5 RAMはXMPで6000Mhz駆動させている点は定格とは違うため注意。

この構成におけるキモは何といっても、AMD RYZEN 5 8600Gとその内蔵グラフィックのAMD Radeon 760M。もちろんRTX4060も重要なのは言うまでもないがビデオ出力はグラフィックボード側とマザーボード(CPU内蔵グラフィック)側でゲーム性能は変わるのかどうかも検証。

8600G、正確に言えばグラフィックドライバーであるAMD Software:Adrenalin Editionで使用可能なAMD Fluid Motion Frame 2(AFMF 2)が検証のメイントピックとなる。AFMF 2の利用自体はマザボ側のビデオ端子に接続する必要がある(RTX4060がwからは利用できない)が、まずはAFMF無しのフレームレートを検証する為、AFMF 2なしの両端子接続したパターンで計測。

そもそも、APUという製品を知っている自作PCユーザーの中には、グラフィックボードの増設に懐疑的に人もいるだろう。なぜならAMDの歴代APUは内蔵グラフィック性能が安価なグラボ並みの性能を誇る一方で、基本的にCPU直結のPCIEレーン数が通常のRYZENシリーズの半分、すなわちx8で、現行である8700G/8600Gも同様となるため高性能グラフィックカードを追加搭載すると転送速度が若干のボトルネックとなると知っているからだ。

しかし、今回使用するRTX4060 8GBはそもそもPCIE 4.0 x8。CPUレーン自体がボトルネックにはならないため問題ないと考えている。というよりも今回AFMF 2の威力を解説していくが仮にレーンのボトルネックが数%発生したとしても余りある性能飛躍となるため目をつぶれるレベルだ。ただし多くのゲームで検証したわけではなく今回は「モンハンワイルズ」のみでの検証であることは念頭に置く必要がある。

今回他のメディアでも話題性の高いモンハンワイルズのBeta版グラフィック検証は公開されている。しかしAFMF 2もっと言うならAMDのAPU製品にフォーカスをあてて検証しているメディアは世界中どこを探してもココくらいではないだろうか。正直筆者個人的にはこのAFMF 2がGeforceと多くのゲームタイトルで共存できると仮定した場合、自作PCやBTO PC構成の常識さえをも覆すこととなるほどの破壊力だと考えている。Intel/AMD両社ともCore i5/Core Ultra 5/RYZEN 5等ミドルクラスゲーミング向けのCPUを数多くリリースしているが、ハイエンドクラスはともかく正直このRYZEN 5(APU)とRTXシリーズのミドルクラス構成では最適解になる時代も来るのかもしれない。

先日公開したAFMF検証記事ではAFMF 2はまだベータ版ドライバーでのみ提供されていたがいつのまにか正式版においてもAFMF 2が利用可能となっていたため急ぎアップデートをして検証した。

AFMF(AMD Fluid Motion Frames)とは?

AFMF(AMD Fluid Motion Frames)は、AMDが開発したフレーム生成技術で、ゲームシステムに組み込まれる同じくAMD開発のFSR 3(ゲーム側の対応必須)とはまた別の技術となる。ドライバー側で中間フレームを生成し、動きの滑らかさを向上させる技術だ。AFMFはゲーム側の対応が不要というのが使いやすいポイントだが快適動作する場合とそうでない場合があるためまだ課題の多い機能であることに注意。

AFMF自体は以前から提供されていたものの、AFMF 2が正式版ドライバーに組み込まれたことによって、前バージョンと比べて精度と遅延が大幅に向上している。特に、カメラ視点が急激に変化させてしまうと残像が出たりコマ落ちが目立っていたがそのあたりの補完フレームの生成がかなり改善されているように今回検証していて感じた。

また、最新のDLSS 3.5やFSR 3との併用により、ミドルスペックPCでも高フレームレートで快適なゲーム体験が可能になっているが完全ではないのか、時折プレイヤーのゴーストというか残像が発生することはある。そのため、それなりに低予算ゲーミングPCユーザーにとっては強い武器になることは間違いないが、勿論万能の神ではないことは付け加えておく。

AFMF(AMD Fluid Motion Frames)の設定方法

AFMF 2有効化方法

  1. 対応グラボもしくはAPUで最新Adrenalin Editionをインストール
  2. 「ゲーム」タブでAFMF 2の項目を有効化

これだけ!?

まず、Radeon系のRX 7000シリーズグラフィックカードもしくはRYZEN 7000シリーズ以降のAPU(モバイル/デスクトップ)が動作対象であることは先に明示しておくが、対応グラボもしくはAPUを用意した状態で最新のAdrenalin Editionを起動。そして「ゲーム」の項目にあるゲームタイトルごとにAFMF 2にチェックを入れるもしくはゲーム全体にAFMF 2を有効化することで利用可能となる。簡単すぎ…。

AFMF 2がサポートしている画面設定はフルスクリーンモードもしくはボーダーレスフルスクリーン。ウィンドウモードはサポートされていないようなので注意。

実際に検証してみる

映像端子(出力元)比較

まずはマザボ(8600G/Radeon 760M)側に映像端子を接続した場合とグラボ(RTX 4060)側に通常通り接続した場合で性能差が出るか検証する。ということでモンハンBetaを起動してフレームレートを計測。

今回の検証内容は下記。

検証条件1検証条件2
検証場所集会所ロビー
(プレイヤーが多く負荷が高い)
チャタカブラ討伐
(ソロ、エリア移動あり)
解像度
WQHD(2560×1440)WQHD(2560×1440)
フレーム生成1DLSS 3.5DLSS 3.5
フレーム生成2
アップスケーリングクオリティクオリティ
プリセットウルトラウルトラ

検証条件1ではユーザーが密集しやすいマイテント近くのロビーの近くを1~2分間うろうろしてAfterburnerで計測する。また検証条件2ではソロでチャタカブラ討伐(約10~12分)を試みる。今回3連休でチャタカブラを検証目的で最低24回、しかもログ記録失敗で実際のところもっとたくさん討伐している。当分カエルはみたくない。

さて、検証結果を見ていくと、ロビー(マルチ)ではRTX4060出力の方が若干ながらフレームレートが出ている結果に。しかし、全く同時に検証できない限りその検証時に同数のプレイヤーがログインしていない場合データに整合性が持てないのであくまで参考値。

続いてソロ戦チャタカブラ討伐。こちらは8600Gからの映像出力の方が平均fpsが激増する結果に。その伸び驚異の+62%。これはまだAFMF 2を有効にしていないことを強調しておく。WQHD設定かつクオリティ優先であるにもかかわらず平均60fpsに肉薄する結果に驚きを隠せない。しかし、0.1%最小値では安定しないので何度かデータを取り直したかったものの、Betaプレイ自体が2024/11/4 11:59に終了してしまったためかなわなかった。

8600G経由での映像出力で討伐中何度かフレームが落ち込みというかコマ落ちのような挙動はあるがあまりプレイに差し支えることはなかった。とはいえ強敵の場合同じ条件で討伐可能であるとは言い切れないのでDLSS 3.5使用の場合はフルHDに解像度を落とすか、もしくは解像度そのままでアップスケーリングをパフォーマンス優先設定に落とすことをおすすめする。

なぜ8600GとRTX4060の出力元違いだけでこんなに差がつくの?

ところでなぜ、RTX4060経由と8600G経由での映像出力で性能差が出るのか考察してみる。

RTX4060から映像出力した場合Radeon 760Mはタスクマネージャー上で見ると動いていない(占有率0%)
マザボ側(8600G)から接続した場合、ゲーム起動中RTX4060&Radeon 760Mが共働き状態であることがわかる。AFMF 2オン時は更に760Mが働くことが検証結果で分かっている。

上の画像を2枚みてもらえればわかる通り、RTX4060に接続している場合、Radeon 760M(8600G)は動作していない。しかし、Radeon 760M(8600G)に接続した場合、760Mはもちろん、RTX4060へも負荷がかかっている状態となる。つまりマザボ経由で映像出力することで内蔵グラフィックに加えてCPUをブリッジしてRTX4060のパワーを借りて来れているという状況だ。そのため、ソロ戦チャタカブラ討伐では平均fpsが伸びたのではないか。つまり、ゲームタイトルごとに挙動が異なる可能性があるが少なくとも「モンハンワイルズBeta」に関しては「APUの内蔵グラフィックとGeforceの共存が可能かつ性能もGeforce単体よりも性能が伸びるが接続先はAPU(マザボ)側に限る」という結論となる。

ブランドの異なるデュアルGPU構成でグラフィック性能が伸びる話は2010年代にDX12 EMA技術というもので一時期話題となったがその後全く話を聞かなくなった。今回の挙動を見るとその技術というよりもRadeon側の技術…?RTX4060側に接続した場合は内蔵グラフィックは活かせてないし…?有識者がいたら問い合わせフォームもしくはXのDMに連絡いただきたい。

第1弾まとめ

今回長くなってしまうためここで一旦まとめさせてもらい次回につなげるものとする。

筆者はAMD Bulldozerアーキテクチャーの頃からAPU製品と付き合いがあるが本当に昨今のAPUは使っていてさらに楽しくなったというのがうれしい限りだ。

グラボを搭載するゲーミングPCの場合、グラボ側に映像端子を接続するのが常識だったが、少なくともAMD APU製品の場合内蔵グラフィック側に接続したほうがフレームレートを稼げる可能性が出てきた。しかしゲームタイトルによって挙動が異なる可能性が大いにあるため現状結論として言えるのは「モンハンワイルズBeta」ではそのような挙動をしたという事だけだ。

そして今回の検証で分かったAPUのグラフィック性能とRTX4060の性能を合わせてモンスター討伐時のフレームレートが向上したという結果を更に他の解像度設定やDLSS 3.5のみならずFSR 3を使った場合どのような挙動になるのかを次回記事で書いていくので是非最後までお付き合いいただきたい。

今回の構成でフルHD200fps達成したお話は次回お楽しみに。

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