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【オーバークロック】最大3.4GHzに迫る限界突破RX 9070のパフォーマンスは神っていた!2025年間違いなく「買い」なグラボの性能を徹底検証!【詳細設定解説】

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実際に細かく設定しながら検証データを取得

こちらも先ほどのOC/Silentモード検証と同じくモンハンワイルズのベンチマークソフトでデータを取っていく。こちらのフレームレート検証は一旦全てUWQHD(3440×1440)のウルトラワイド解像度で検証。細かなチューニングを地道にやりながら性能が伸びなくなるところまで実施した。

今回の設定では全て安定動作し、ゲームのクラッシュやPCが予期せぬシャットダウンといったトラブルに見舞われることはなかった点には胸をなでおろした。さすがに検証用に入手した物とはいえメーカーから提供があったわけでないので完全な自腹。壊れたら大の大人でもさすがに10万円越えの商品だとわんわん泣いてしまうだろう。ちなみにファンの回転数設定は全て75%で固定し検証。

チューニング(手動オーバークロック)検証項目

  1. デフォルト
  2. 電圧-50mV
  3. 電圧-75mV
  4. 電圧-75mV/VRAM周波数2600Mhz
  5. 電圧-75mV/VRAM周波数2750Mhz
  6. 電圧-75mV/VRAM周波数2750Mhz/電力制限+10%
  7. 電圧-75mV/VRAM周波数2750Mhz/電力制限+10%/GPUクロック+100MHz
  8. 電圧-75mV/VRAM周波数2750Mhz/電力制限+10%/GPUクロック+200MHz
  9. 電圧-50mV/VRAM周波数2776Mhz/電力制限+10%/GPUクロック+200MHz
  10. 電圧-50mV/VRAM周波数2776Mhz/電力制限+10%/GPUクロック+300MHz

合計で9通りのチューニングを施し加えてデフォルト設定と比較検証した。細かい設定の違いになるため7番目以降の設定の違いはまさにアハ体験ばりの僅差になるがよく設定内容を凝らして見てから番号に対応した棒グラフの方を参考にしてほしい。

グラフを見ればわかる通り、7番の「電圧-75mV/VRAM周波数2750Mhz/電力制限+10%/GPUクロック+100MHz」以降は殆ど数値は伸びない。このあたりからはベンチマーク中も頻繁にクロック降下とともにフレームレートが低下して平均値が押し下げられているのが8番あたりからだ。とはいえデフォルトから比較して7番目の検証設定だとオーバークロックによって約9%の性能向上を実現した。

次に消費電力の比較グラフを作成。

特筆すべきは、低電圧化した際のワットパフォーマンスの大幅向上だろう。2~5番目の検証項目では電力制限の+10%はしておらず、主に低電圧化とVRAMを弄っているだけだが性能もきちんと上がっているにもかかわらず大幅な低電力化を実現している。また、電力制限の+10%について5番目から6番目にかけて設定したわけだが、確かに約9.3%と設定どおりの消費電力アップになっている。検証をしていくうちに、75mVの設定だと当サイトで用意した個体ではモンハンワイルズのベンチマーク実行中に高負荷であるにもかかわらずクロックのアンダーシュート(急降下)が頻繁に発生し平均フレームレートが低下してしまった。これは目に見えるほどの引っ掛かり、いわゆるスタッタリングとして発生してしまっており、不確定要素ではあるものの電圧を少し持ったところ改善したのでおそらく-75mVだと厳しかったようだ。そこで途中から-50mVに変更したわけである。

続いてGPU温度を見ていく。1番のデフォルト設定では1000回転以下の静音設定となっており、それでもモンハンワイルズのベンチマーク実行中でも50度台。それ以外は回転数75%固定で実行しているがほぼ横並び。100%ではなくとも十分すぎるくらい冷えていることが分かる。つまり手動でオーバークロックを試みてもGPU温度がボトルネックで限界値を迎えることはこの製品ではほぼないだろう。また、先ほどの懸念であったVRAM温度が若干高めな件も手動でファンの回転数を上げることで、気にならない程度にまで温度が低下している。ゲーム実行時で70度台中盤であれば神経質になる心配はないだろう。

ちなみに回転数75%に設定すると約2500回転前後になる。騒音も計測したので下記を参考にしてほしい。デフォルト状態だと先述の通りCPUクーラーの方が煩いためPC全体の騒音ととらえて問題ない。回転数75%及び100%になると明らかにGPUクーラーの音が単体で気になってくるレベル。全てバラック状態での計測だが、75%回転数であればPCケースに入れれば一般的なBTOパソコンのゲーム中とほぼ変わらない騒音値に収まる可能性が高い。余談だが我が家のドライヤーの騒音値は参考程度に見てほしい。それよりは当然ながら100%回転数であっても静かなものだ。

比較で使用のドライヤーは家庭用のもので計測。それも約30cmほど離したところで騒音値を計測

そして迎えるGPUクロック+300MHzの設定では最大3.4GHzに迫るクロック3351MHzをモンハンワイルズのベンチマーク実行中にマーク。これは驚異の周波数で、そもそものPowerColor Hellhound AMD Radeon RX 9070 16GB GDDR6のブースト時最大クロックは公称2520MHzの為その差約32%のクロック向上。クロックが30%近く上がって性能向上は10%弱とみるとワットパフォーマンスはさておきRX 9070のオーバークロック耐性には脱帽の一言である。

まとめ

ポイント

  • 面倒なら低電圧化だけやっとけば省電力化も性能向上も取れて一石二鳥(-50mV~-75mV)
  • 余裕があれば上記に加えVRAM周波数2750Mhz/電力制限+10%すればほぼ最大のパフォーマンスを享受できる
  • ギッチギチに性能詰めたいなら上記に加えてGPUクロックを更に+100MHzすべし

以上!RX 9070は久々にオーバークロックの楽しみを体験できるGPUであると断言できる。2025年当サイト的にはGPU部門ベストバイ賞を塗り替えるグラボは今年出ることはないだろうと考えている。価格はこの性能とオーバークロック耐性で10万円前後。競合はRX 5070で価格は近いが、知っての通りなモンハンワイルズは圧倒的にRadeon RX 9070がパフォーマンス的に圧倒的有利。それでもどちらを最終的に買いたいかはユーザーに委ねることにする。

PowerColorのRX 9070シリーズにはホワイトエディションも存在する。もし白PCを組みたいユーザーはそちらを選択するのもおすすめ。

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