ポータブルゲーミングPCを探しているんだけど、今すぐ買うべきか、Ryzen AI 9 HX370とか搭載した製品待った方がいいのかな?
(ZACK IT編集)
現行モデルでも魅力的なポータブルゲーミングPCはあるんだけど、先日Intelが新しくLunar Lakeを発表したばかりなんだ。このCPUはモバイル史上最強を謳う統合グラフィックスを備えているとしているから実はもう少し待つことでAMD含め更に強力な選択肢が増えるかも。
ポータブルゲーミングPCとは?
ポータブルゲーミングPCは、近年参入しているPCメーカーが増加している。携帯性が抜群で、従来のハイエンドゲーミングPCに比べて安価に入手できるためカジュアルなゲーミングにスポットライトが当たっている状況だ。
手軽に人気ゲームタイトルをそれなりに楽しめることが強みで、出張の多めな会社員や学生から注目を集める。
ポータブルゲーミングPCでゲームは何ができる?
ポータブルゲーミングPCは、コンパクトながらも現在人気のゲームタイトルを設定や作品次第でプレイ可能だ。以下の代表的なゲームをポータブルゲーミングPCでプレイ可能かまとめた。
APEX Legends/フォートナイト
APEX Legendsやフォートナイトといった人気のFPSタイトルはフルHD 中設定でAvg.60fps前後でプレイが可能。過去にデスクトップ向けのRYZEN 5 8600G(Radeon Graphics 760M)のレビュー記事を公開しているが、内臓GPUでAPEXのフルHD低設定であればアベレージで60fps以上を記録している。
モバイル向けでもAMD製APUや今回新しく発表されたIntel Lunar Lake(Core Ultra 2)搭載機種であれば十分快適にプレイできそうだ。
フォートナイトに関しても降るHD設定であれば比較的ゲームタイトルとしては軽量の部類委になるためAPEXが動くCPU/GPUであればプレイ可能だろう。
原神
美麗なグラフィックが特徴の大人気オープンワールドゲーム原神。
当サイトの検証記事でたびたび使用しており、プライベートでもプレイしている筆者だがすべての設定で最高とまではいかないまでもそこそこの設定であればフルHDもAPUなど高性能グラフィックスカードがなくても十分可能。そもそもFPSやレーシングゲームのような高フレームレートではなくてもストーリー性で楽しむタイプ(深境螺旋を除く)のため、50fps以上出ていればおおむね快適レベル。
ポータブルゲーミングPCで不満が出ることは少ないと思われる。
ファイナルファンタジー14(FF14)
デスクトップ向け最高品質は正直厳しいという印象。
ノートPC向け標準品質あたりからが快適にプレイできるラインとなるだろう。もしくは別記事で紹介しているAMDのAFMF(AMD Fluid Motion Frames)技術をオンにすることで中間フレームを生成し、60フレームに近いfpsでプレイが可能となる。こちらもAPU搭載もしくはLunar Lake機が出てから購入を検討することをおすすめする。
ポータブルゲーミングPCの現行製品から比較してみた
現在の市場では、AMD RYZEN搭載モデルとIntel Meteor Lake搭載のポータブルゲーミングPCが存在するが、AMD機種の存在感が優勢。やはりグラフィック性能に定評があるモバイルAPUが人気なことに加え、コストパフォーマンスに優れるからだろう。今回はAMD/Intel両機種から現行製品の注目機種を2機種選別した。以下はその主なスペックの比較となる。
製品名 | ASUS ROG Ally X | MSI CLAW |
液晶サイズ | 7インチ/120Hz | 7インチ/120Hz |
解像度 | フルHD(1920×1080) | フルHD(1920×1080) |
CPU | Ryzen Z1 Extreme | Intel Core Ultra 155H |
GPU | AMD Radeon Graphics | Intel Arc graphics |
メモリ | 24GB LPDDR5 | 16GB LPDDR5 |
SSD | 1TB | 1TB |
OS | Windows 11 Home | Windows 11 Home |
重量 | 約608g | 約750g |
市場売価 (2024年9月時点) | ¥139,800 | ¥99,800 |
備考 | Thunderbolt 4ポート搭載 |
MSI CLAWは競合のASUS ROG Ally Xと比較して20%以上廉価であるものの、メモリ搭載容量に若干遅れを取っている。また、搭載CPUの違いから近しい性能ではあるもののゲームタイトルによって得手不得手が分かれるところ。
しかし一方でMSI ClawはThunderbolt 4に対応したUSB Type-Cポートを備えており、外付けGPUボックスなどを利用することで、外出先では内臓グラフィック、自宅ではボックス接続で快適プレイというニッチではあるものの活用方法に幅がを持たせることが可能だ。
なぜ新型Core Ultra(シリーズ2)を待つべき?
3つ新型Core Ultra シリーズ2(Lunar Lake)を待つ理由を紹介する。
Lunar Lakeは前世代CPUのフラッグシップという位置づけとなりすべての分野で上位互換となる。つまり、性能を必要とするのであれば待つ価値は十分にある。昨今ライバルAMDの内臓グラフィックスの飛躍も顕著だが、Lunar Lakeはそれをも上回るGPU性能と電力効率性を発表内でアピールした。
また3番目に紹介したNPU性能についてはIntel製品で初めてNPU単体性能が40TOPSを超えMicrosoftの提唱する「Copilot + PC」としての要件を満たすこととなり、既に年内のWindows 11アップデートにてCopilot + PCとしての機能がアンロックされると予告されている。
Core Ultra シリーズ2(Lunar Lake)搭載のモバイル製品は2024年9月24日から発売解禁で、一部メーカーではすでに予約開始となっている。しかしポータブルゲーミングPCで予約開始されている製品は現在日本国内ではないようだ。
「Copilot + PC」とは何ぞやという方は下記の記事をチェック↓
今後発売予定が判明しているCore Ultra搭載ポータブルゲーミングPC
IntelのLunar Lake搭載モバイル製品は2024年9月24日を皮切りに多数ローンチ予定。現在発表されている中でポータブルゲーミングPCのLunar Lake搭載機種はMSIの「Claw 8 AI+」。
この機種は今回新たに追加される最新の次世代CPU「Core Ultra シリーズ2」を搭載予定。圧倒的に向上したグラフィックス性能で快適性が上がったゲーム機としての完成度と、電力効率によってバッテリーの持続時間が上がるかどうかに期待。
他社は現在比較的AMD RYZEN搭載のポータブルゲーミングPCを市場投入しているメーカーが多く、今後に関しての動向が注目だ。
まとめ
今年はポータブルゲーミングPCにとって追い風が吹く1年だ。
ポータブルゲーミングPCの選択肢は既に多岐にわたるが、グラフィック性能が大幅強化される新型Core Ultra(シリーズ2)搭載製品を待つことは賢明な選択だ。それらの製品のリリース後にラインナップを吟味してからの方がより後悔のないチョイスをとれるだろう。