ゲーミングパソコンを組みたいけど予算10万円しかない…
BTOパソコン買った方がいいのかな?
(ZACK IT編集)
最近円安でPCパーツ高いから大分厳しい予算だね…
でも組めなくはないよ!
モニターとマウス・キーボードは予算に入ってないからそこは注意ね!
予算10万円(税込)でゲーミングパソコンは組めるか
結論から言えば、フルHDかつ60fpsをターゲットとしたライトゲーミング層向けの自作構成であれば円安傾向でパーツが高いとはいえまだ可能である。
ただし、昨今日本のPCパーツ市場は為替の影響をもろに受けていることに加え、パーツの価格自体も世代を上げるにつれて値上がり傾向の為中々予算税込10万円で様々な妥協無しに組むことは不可能だ。
自作パーツはまずCPUの2大メーカーから決めることになるのが通例だがIntel/AMD両社ともにシミュレーションしてみることとする。
ゲーミングPCを本格的に考えるなら予算幾ら用意するべき?
現在の為替状況や各種パーツの相場を考えると、やはり15万~20万円を用意したほうがAAAタイトルのメジャーなゲームを快適に遊ぶにはベターだろう。
しかしながら3Dの設定にこだわらないのであれば、今回のテーマであるOS込み予算10万円でも十分に遊ぶことが可能なゲームタイトルは多い。また、自作PCのメリットとして、自分で組み替えてグレードアップする楽しみが増えるので少しずつ予算が容易出来次第パーツを換装してみるのもいいだろう。
予算10万円のパソコンでできること
そもそも、今の物価と為替状況で10万円のパソコンというのは決して高い予算ではない。
したがってこの予算内で快適ラインの用途とそうではない用途を見てみる必要がある。”×”に書いてある用途を想定している場合は最低でも15万円以上の予算を捻出することをおすすめする。
ゲーミングPCの買い替えタイミングは?
ハイエンド(高性能)なパーツで自作した場合、不運な故障に遭遇しなければ5年程度性能的に不足が出ることはないだろう。
10万円前後で組んだ場合には3年程度で高いグラフィック性能を要求するゲームタイトルだとアップデートについていけなくなる可能性もあるので注意が必要。
Intelの場合
早速OS込みで予算10万円に収まるPC構成を見ていこう。
Intel CPUを使用する場合、まずCore i5やCore i7といったゲーミングPCの定番CPUを選択すると今回の10万円企画は終了してしまう。
そこで、Coreシリーズ最後の良心、エントリークラスのCore i3に登場願おう。
Core i3は現在2024年3月時点の最新世代(Raptor Lake Refresh)で4コア8スレッドと控えめなコア数ではあるものの、5年程度前のCore i7と同等の性能を誇る。
今回は最新の14世代(Raptor Lake Refresh)からではなく2世代前の12世代AlderlakeからCore i3 12100Fを使用した。というのも2024年5月追記時点で円安が加速したことからパーツ各製品が値上がりし、OS込々10万円企画が大分厳しいものとなってきているからだ。
とはいえ14世代の14100Fに引けを取らず、シングルスレッド性能に長け、どのゲームタイトルでもフルHD60fpsをターゲットとする場合にはおおむね満足できるだろう(グラフィックボードによるところが実際大きい)。
PCパーツ | 商品名 | 税込価格 2024/8時点 | コメント |
OS | Windows 11 Home 日本語版 | ¥15,327 | |
CPU | Core i3 12100F BOX | ¥13,680 | Intel CPU 4コア8スレッド |
RAM | W4U3200CS-16G | ¥7,582 | DDR4 16GBx2 |
M/B | ASUS PRIME B760M-A D4 | ¥13,755 | Intel B760/Amazonクーポン適用 |
GPU | AXRX 6500XT 4GBD6-DH/OC | ¥24,980 | Radeon RX 6500 XT |
SSD | MSI SPATIUM M371 1TB | ¥8,061 | NVMe Gen 4 1TB |
PSU | 玄人志向 KRPW-GK650W/90+ | ¥11,200 | 650W Gold |
Case | ZALMAN T8 | ¥3,491 | 安いPCケース |
¥98,076 |
この構成のポイントとしては、Core i3の末尾Fつきである内臓GPU無しモデルを選択して予算削減をしているため、安価なゲーミンググラフィックボードを購入する必要がある。
そのため実勢売価2万円前後でコストパフォーマンスの高さが光るAMD Radeon RX6500XTを構成に入れた。
メモリは32GBあり、SSDも1TB搭載しているのでゲームをインストールしてもすぐに枯渇することはないだろう。
また、マザボはB760の下位チップセットを選んでいるためM.2スロットは2つと、SATA端子は4つ搭載しているため、データ用にHDDやサブの2.5インチSSDを追加できる余地は残されている。
AMDの場合
AMDの場合は2024年2月に発売されたばかりのAPU(いわゆる高性能な内臓グラフィックを搭載したCPU)を選択可能なためディスクリートGPU(グラボ)は購入せず、Intel構成よりも若干予算を抑えることができた。
PCパーツ | 商品名 | 税込価格 2024/8時点 | コメント |
OS | Windows 11 Home 日本語版 | ¥15,327 | |
CPU | Ryzen 5 8600G BOX | ¥34,950 | AMD APU 6コア12スレッド |
RAM | W5U4800CM-16GS | ¥14,136 | DDR5 16GBx2 |
M/B | MSI PRO A620M-E | ¥10,364 | AMD A620チップセット |
GPU | ー | ー | ー |
SSD | MSI SPATIUM M371 1TB | ¥8,061 | NVMe 1TB |
PSU | 玄人志向 KRPW-GK650W/90+ | ¥10,875 | 650W Gold |
Case | ZALMAN T8 | ¥3,491 | 安いケース() |
合計額 | ¥97,529 |
今回筆者がAMD RYZEN 5 8600Gを使用したおすすめ構成で性能レビューをしているのでぜひそちらも併せて読んでほしい。
Intel構成と大きく異なるポイントは2つでグラボを搭載せず内臓グラフィックを活かす点、それからメモリがDDR4ではなく高速なDDR5を使用している点だ。
RYZEN 5 8600Gは8000Gシリーズとして今年1月に発表され、2月に国内発売したばかりの新モデルのミドルクラスCPUだ。上のモデルにはRYZEN 7 8700G、下にはRYZEN 5 8500G/RYZEN 3 8300Gシリーズがいる。
さて、ここまでは10万円という予算制限を一つのテーマとして構成を提案してきた。
自作PCを楽しむうえでいくつかの”縛りゲー”を設けるのはそれもそれで悪くない。
しかしここからは、自作PC/PC DIYの醍醐味ともいえる、パーツ一つ一つのこだわりを持ったらどういった構成になるかを筆者的なおすすめ構成を提案していきたい。
おすすめ構成
AMD RYZEN 5 8600Gを使用する点は上記のAMD構成と共通する。
PCパーツ | 商品名 | 税込価格 2024/8時点 | コメント |
OS | Windows 11 Home 日本語版 | ¥15,327 | |
CPU | Ryzen 5 8600G BOX | ¥34,950 | AMD APU 6コア12スレッド |
クーラー | AK400 DIGITAL WH | ¥5,280 | 白クーラー |
RAM | CMH32GX5M2E6000C36W | ¥18,957 | 白メモリ/DDR5 16GBx2 |
M/B | B650M AORUS ELITE AX ICE | ¥27,792 | 白マザー/AMD B650 |
GPU | ー | ー | ー |
SSD | Western Digital WDS100T3B0E-EC | ¥12,900 | NVMe Gen 4 1TB |
PSU | SST-DA750R-GMA-WWW | ¥17,145 | 白電源/750W Gold |
Case | CX200M RGB ELITE WHITE | ¥7,051 | 白ケース |
合計金額 | ¥139,402 |
違いはやはりふんだんに白パーツを使用した点だろう。
とはいえ、各パーツこだわり出したらきりがないとはいえ、10万というよりむしろ予算15万円のパソコ ンになってしまった点はお詫びしたい。
自作PCたるもの、やはり機能性や性能だけではなく、「自分好みの見た目」というものも重視したいと考えている。
筆者は白パーツで統一して、メカメカしい中身が透けて見えるのが好みなので、最近トレンドの2面が強化ガラスになっているいわゆる白いピラーレスケースを採用した。
早速組んでみた。
自作PC一番の顔であるPCケースについては先日既にレビュー済みだ。
デザインは比較的まとまっておりコストパフォーマンスも高く、一方で組みにくさや注意すべきところがあるといった点で自作PC初心者には気を付けてもらいたい。(詳しくは記事参照)
自作パソコンを組み立てる際は何といってもやはりCPUのBOXを開ける時と、マザーのソケットに取り付ける際が一番ワクワクするといっても過言ではないだろう。一番DIYしているイメージに合った瞬間だ。
勿論、メモリもヒートスプレッダが白く、RGBで光るメモリを選択した。Corsairのこのメモリは、iCUEという専用アプリで光り方も変更させることができる。GIGABYTEとAMD RYZENに合わせてオレンジに光らせてみたりもした。
CPUクーラーは勿論AMD APUを購入した際のBOX付属クーラーである、Wraith Stealthクーラーでよかったのだが、ゲームやCinebenchでぶん回したら不安が残る温度だったため冷却向上兼こだわりデザインということで換装した。
電源ユニットはPSUカバーの下に隠れるものの、やはりメンテナンスホール内にケーブル類が出たり、今回採用したケースはカバーがメッシュなのでなんだかんだ黒いと若干見えてしまうという懸念があったためここも白で統一した。白電源の選択肢としては秋葉原のTSUKUMOに行った際に、CoolerMasterかSilverStoneがあったが今回は後者の電源を採用した。
SSDはLexar NM790。読込7,000MB/sを超える高性能Gen4 NVMeSSDの中では破格の値段(2024年3月時点)で入手可能だったため採用した。
実際に動かしてみた。
RYZEN 5 8600G APUの性能
Lexar NM790 SSDの性能
AK400 DIGITAL WH CPUクーラーの性能
所感
8600Gのレビュー記事でも書いたが、おおむねのゲームタイトルでフルHDでプレイ可能だった。
グラフィックカードを取り付けずにここまで動作してしまうというのは何とも驚きだが、一方で性能の底上げをしようとなった場合に初心者殺しなUEFI等の細かい設定が必要だったり、グラフィックカードを追加する場合はPCI Expressのレーンがx8になってしまう事は一部̠マイナスポイントだろう。
ケースに関してはレビュー記事でも述べたが、付属ファンは常に最大回転数で回るため少々耳に着く。非常に見た目は好きなケースなので、ケースファンだけ交換してこれからも使用予定。
ケースファンは主に3pinで回転数制御できるものと、今回のCX200M RGB WHITEのように、ペリフェラルピンで回転数制御が原則できないものとで分かれるため購入時に気を付けてほしい。
まとめ
予算10万円で制約がありつつも2通りの構成が現在(2024年3月時点)でも組むことができるので、自作初心者で予算が少ないからと言ってあきらめずに、この記事を読んでぜひ検討してみてほしい。
自作PCは奥が深くとても楽しい(沼にハマらないよう注意)
一方で見た目や機能などのこだわりが出てくる場合もあるので、おすすめ構成もぜひ参考にしてほしい。