グラボを買い替えるほどの予算はない…。でもGTX 1080ではDLSSのフレーム生成も使えないしRadeonじゃないからAFMFも使えないし…。どうしたらいい?
(ZACK IT編集)
Lossless Scalingというツールが君みたいな層の間で前から話題になっているみたいだね。個人的にも有用性について興味があったので当サイトで検証してみたよ。
ゲーム側の対応がなくてもフレーム生成(lsfg 2.3)できるのがウケているみたいだけど、どうだろう。
Lossless Scalingとは?
Lossless Scalingは、Steamで購入可能なゲーム画面をアップスケーリングしてフレームレートを向上させるツール。だがもっぱら話題となっているのはアップスケール機能ではなくフレーム生成の方だろう。フレーム生成機能には2つ種類があり、1つは「LSFG 1.1」、もう1つに「LSFG 2.3」だが今回当サイトでは最新の「LSFG 2.3」を使用して検証を進めていく。※「LSFG 1.1」は生成倍率2倍固定
当ツール最大の特徴は、NVIDIAのDLSSやAMDのFSRのようにゲーム側の対応を必要としない点。これにより、古いゲームやインディーズゲームなど、DLSSやFSRが利用できないゲームでもフレームレートの向上が期待できるとする。
(ZACK IT編集)
ぶっちゃけ存在はずっと前から知っていたけど有料ってのが引っかかって今まで検証してきませんでした。
今回はSteamで20%引きセールやっていたので買ってみた。(通常時800円→640円)
また、ゲーム側の対応が必要としないフレーム生成においては昨今AMD Fluid Motion Frames 2(AFMF 2)があり、前バージョンからは飛躍的な遅延周りの改善や素早いシーンの切り替わりにおいても追随できるようになったことから話題となり、当サイトでも『モンスターハンターワイルズBeta』を使用し検証した。このツールと「LSFG 2.3」を比較して最も大きい違いとしては、「LSFG 2.3」は最大4倍までのフレーム生成可能な点と、ウィンドウモードで基本動作することだろう。
前者においては、AFMF 2はそもそも倍率指定ができないが概ね1.5倍から2.5倍程度の範囲でフレーム生成がされる。また後者においては、AFMF 2はそもそもウィンドウモードはサポートせずフルスクリーンもしくはボーダーレスフルスクリーンのみの対応。逆にLSFGはフルスクリーンにはサポートせず、ウィンドウモードでフレーム生成を開始するとウィンドウが全画面表示状態でゲームをプレイすることになる。
LSFG 2.3とAFMF 2のメリット/デメリット比較
まずはメリットから。
LSFG 2.3は最大4倍までフレーム生成を行うことができるため、上限60fpsの原神などは240fpsで理論的にはプレイ可能となる。ゲーム側で上限フレームレートが定められてしまっているタイトルについてはこのツールの魅力を感じるところ。
続いてデメリット。
まずAFMF 2から見ていくと、上の2つはLSFG 2.3と共通して言えることだが、3つ目に関して、フレームレートのログ上は100fps以上出ていても、あまり快適にならないケースが一部ある。実際の見え方的に30~40fpsしか出ていないのではと思えるほどのカクツキや、スタッタリングが断続的に出てしまう事も。元のフレームレートが60以上を安定的に出せている際はあまり気になることはない。
続いてLSFG 2.3のデメリットだが、3つめについては正直個人的に現状致命的とも呼べるデメリットと感じている。
画面端が歪んで魚眼カメラのように見える現象は、3D酔いを誘発するほど不快で長時間のプレイには向かない。生成2倍ではほぼ出ない症状だが、つまりそれだとAFMF 2に対して大きな優位性にはつながらなくなってしまう。RadeonやAMD APUユーザーなら料金を払ってまで使うツールではなさそう。3~4倍のフレーム生成は一見魅力的な機能だがトレードオフが増える印象…。
4つ目のティアリングに関しては、負荷の高いゲームはそれこそ設定を落とすか、垂直同期(V-SYNC)をオンにすることや、モニターのVRR(Adaptive-SyncやFreeSync/G-SYNC)をオンにすることで解決できるかもしれない。
導入にお金が発生するという点もAFMF 2にはないデメリット。しかしRadeonユーザーではなければそもそも使用できないAFMF 2に比べ、640~800円払えば古めのGPUでも使用可能で間口が広い点は物持ちのいいPCゲーマーにとっては嬉しいポイントになるのかもしれない。