不具合の対象製品
今回の不具合の対象となっているのは、Intel 13世代(Raptor Lake)および14世代(Raptor Lake Refresh)のCore iシリーズの中でKおよびKFモデルのCPUだ。これらの製品は、Core i5に関してもK/KFモデルである13600K(F)/14600K(F)が例外ではない点が一部のユーザーにおいてネガティブサプライズとなるだろう。
Core i5 | Core i7 | Core i9 | |
Raptor Lake(13 Gen) | 13600K/KF | 13700K/KF | 13900K/KF,KS |
Raptor Lake Refresh(14 Gen) | 14600K/KF | 14700K/KF | 14900K/KF,KS |
K/KF(KS)はオーバークロックが可能なモデルとなっており、主に高性能を求めるゲーマーやクリエイター向けに人気(?)ではあるが今回は手動でOCをする・しないにかかわらず不具合が発現する可能性がある点を強調しておきたい。
以下のリンクはインテル公式のフォーラムページでインテル従業員Thomas Hannaford氏が今回の不具合について解説しているページが6月18日(米国時間)に公開された。
現時点で推奨されている不具合対策方法
Intelはこの不具合に対する暫定的な対策として、対応BIOSへの更新とインテルが推奨するプロファイルの設定を行うようしている。ただし、BIOS関連の作業はもちろん自己責任となるうえ、自作初心者~中級者には多少難しい作業ではないだろうか。さらには、日本国内のBTOパソコンメーカーが抱えるPC知識がそこまで高くないユーザー自身がこの作業を難なく行えるイメージが全く沸かないのは筆者だけだろうか。
BTOショップが販売するページを見てみると、特にお知らせや注意・警告などはなくインテルCPUのK/KFモデルの販売を行っているように見える。
対応方法の問題点
これはあくまで筆者の個人的見解であり興味がなければ飛ばしてしまって構わない。
発表や声明を出すのが遅い
Intelがこの不具合に関する公式声明を発表するまでに当初5月を予定していたものが結局6月の後半にずれ込んだ。相当不具合の特定に難儀していたことがうかがえるがユーザー側から不満や不信感が出ても文句は言えないだろう。
日本国内向けへの告知が少ない(英語コミュニティだけ??)
公式声明があったといっても英語圏のみ。日本語のページはないし、いつもはIntel製品のことを報じることの多い大手ウェブメディアはほぼ6月18日の件に触れた記事を公開していない。この6月18日の声明について報じていたのは筆者が確認できた限りマイナビだけ。
BTOやパーツ専門店の販売ページやお知らせ欄を見ても、特にこの問題に触れた文言は見つけることができなかった。とりあえず問題自体を認識しているものの、表面化した不具合品はごく一部の為通常のサポートフローに従って対応をする方針だという事だろう。
電圧や周波数を制限し、性能低下を引き起こす
当然無制限であった設定を制限することになるため、上限クロックや電圧が制御され、結果として少なからず性能低下が起こることとなるだろう。
性能を求めて購入したKプロセッサーがBIOSとプロファイル設定によって性能が低下してしまったらあまりユーザーとしては嬉しい問題ではない。
もし不具合が発生した場合の保証を受けるには?
もしお使いのCPUが今回の不具合が話題となっている対象モデルだった場合下記の手順で保証が受けられるか確認しよう。オーバークロック(OC)をしてしまっていたならば保証対象外となってしまう可能性が高いが定格の範囲内で使用していた状態で特定のゲームやソフトウェア上でクラッシュなどの問題が見られた場合は正常の範囲内での不具合が疑われる。
保証を受けられるのはもちろん正規販売店に限定した話で、転売業者やメルカリなどのフリマサイトで購入した場合の保証はほぼ絶望的だ。こういう時の為に数百円数千円をケチって最安店舗を探すのではなく、その店舗が正規店であるかどうかは確認してから買うのをおすすめする。
まとめ
今回のIntel13世代および14世代のCPU不具合は、Core i5含め使用しているユーザー自体は少なくないだろう。IntelはBIOSの更新を暫定的な対策として提案しているが、もしこの記事を読んで不幸なことに当事者になってしまった場合は、速やかに購入した販売店もしくはIntelメーカーサポートに問い合わせをすることをおすすめする。
今後の調査でK/KF/KS以外の無印プロセッサーに問題が波及しないことを祈るばかりだ。