実際に比較検証してみた
ここでは、Crucial P3 PlusをSamsung 990 EVOと比較し、その実力を検証する。ベンチマークテストや実際の使用感について詳しく紹介する。
検証に使用したPCはこちら。
パーツ | 型番・品名 | 備考 |
CPU | AMD Ryzen 5 8600G BOX | |
クーラー | AK400 DIGITAL WH | 白クーラー |
M/B | B650M AORUS ELITE AX ICE | 白マザー |
メモリ | CMH32GX5M2E6000C36W | 白メモリ |
SSD | Crucial P3 Plus/Samusung 990 EVO | |
電源 | SST-DA750R-GMA-WWW | 白電源 |
検証用の機材は組み替えやすいように100均の白塗装されたメタルラックを購入し取り付けてある。総額数百円(結束バンド込み)のバラック台が完成である。
ストレージのベンチマークソフトとして有名なCrystalDiskMarkでの検証結果。
6月末時点で秋葉原の店頭価格が1万円前後と大体同等クラスであった2製品(Crucial P3 Plus/Samsung 990 EVO)での比較となり、おおむね似通った数値にはなっているがP3 Plusはシーケンシャルライト(書込)については990EVOを大きく上回っている。
旧品(QLC)を入手できていないため、比較ができないが、少なくともメーカーの公称するスペックをシーケンシャル読込/書込ともに大幅に超えている。(1TB公称値:R-5,000MB/s・W-3,600MB/s)
続いてはAS SSDベンチマークだ。
こちらでは4Kランダムで若干差がつく結果に。また、アクセスタイム(Acc.time)がP3 Plusの方が優勢の他、4K/キュー:64Threadのテストも大きく差をつけ、総合的なスコアはP3 Plusに軍配が上がる。
続くデータのコピーを想定したCopy Testでも傾向は変わらず、P3 Plusが若干優れる。
最後にデータ圧縮率毎の速度を可視化したCompression Test。ここでは今までの優劣が逆転することに。
Samsung 990 EVOは書き込みについて圧縮率により多少上下はあるものの、2,000MB/s~4,200MB/sを推移。
一方のCrucial P3 Plusはというと、書き込みが圧縮率が上がるにつれ落ち込みが目立つ。何度か試行してみたもののこの傾向は変わらず。低いところでは750MB/sという低速状態をマークした。
ここまでQLCかTLCかということも含め当製品を取り上げてきたが、仮に232層TLC NANDへの変更があったとしても当製品のセグメントが1つ引きあがるようなこともなく普通にエントリークラスのPCIe Gen 4 SSDといった印象が結論である。
結局のところSSDの性能や持続速度などはコントローラー性能に依存する部分が多く、NANDが新世代に置き換わったとしてもコントローラーが変更なければ多少のシーケンシャル速度向上はあったとして持続的な速度や圧縮率によるデータ転送速度の安定性といった面は大きく期待するほどの向上はないと推察する。
とはいえ、今回比較した2製品とも通常使用での体感はほとんど感じることはなく、1万円前後で購入可能なことを踏まえればコストパフォーマンスに優れた製品であることは間違いないだろう。
まとめ
最後に、Crucial P3 Plusの総評として、そのコストパフォーマンスや用途に応じた購入であれば「買い」。カジュアルゲーミングや軽めのクリエイティブ用途なら不満が出ることはまずない。
TLCなのかQLCなのかは置いておくとしても性能的には上位機種の選択肢は多数存在し、どちらかといえばリーズナブルさに魅力を感じればアリといった選択肢だろう。