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【思わぬ落とし穴】新発売の自作PC白ケースAntec CX200M RGB ELITE WHITE買ってはいけない3つの理由【話題のピラーレス】

PCケースのCX200MRGBELITEWHITEのサムネイル画像 PC
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実際に組んで使ってみた

主な構成

ケースのカラーがホワイトの為他のパーツ各種も極力白に合わせられるよう調達した。

特に白マザーに関しては中々選択肢がない中でGIGABYTEの”B650M AORUS ELITE AX ICE”を今回は使用した。こちらに関しては後日別途レビュー記事も公開予定なのでぜひ読んでいただきたい。

パーツ型番・品名備考
ケースCX200M RGB ELITE WHITE(当製品)白ケース
CPUAMD Ryzen 5 8600G BOX
クーラーAK400 DIGITAL WH白クーラー
M/BB650M AORUS ELITE AX ICE白マザー
メモリCMH32GX5M2E6000C36W白メモリ
SSDLexar NM790 2TB
電源SST-DA750R-GMA-WWW白電源

外観・デザイン

秋葉原のパーツショップでケースコーナーに展示機が出ておりほぼひとめぼれ。筆者の指名買いなだけあって、なるほどデザインは個人的にとても好みだ。

メリット

実際組んでみて感じたメリットを上げていく。

  1. 洗練されたデザイン。所有欲を満たされる
  2. 初期搭載ファンが多く冷却性能も申し分なし
  3. PSUカバーは外部からもメンテナンスホールからも風が通る設計で大容量電源の熱も安心

デザイン

デザインに関していうと、細かい部品に至る細部までほぼ全て白で統一されており95点だ。(5点減点分は後述)

向かって左前部のピラー(支柱)がないことで、実際のサイズ感よりも大分メンテナンスホールが広々とした印象がうかがえる。

それはまるでデパートのショーウィンドウを彷彿とさせる設計で、中の商品をずっと見ていられる。

AMDerとして今までの勲章(BOX)を展示せざるを得なかったことを
ここにお詫びしたい。当製品はショーケースではなくPCケースなのでちゃんと使おう

小ぶりなミニタワーケースだが、フロント部分は通常よくあるフロントファンやフロントベイが一切ないためフロントスペースが大分余裕がある印象。配線が適当だとフロント/サイドが強化ガラスパネルの為、目立つため裏配線はほぼ必須だろう。

マザーボードも電源ケーブルも全て白に統一している為大変洗練されたデザイン(主観)

裏配線用のスペースだが十分であると感じる。今回の構成だとM.2 SSDのみの為SATA電源ケーブルなど使用せず配線は最低限にはなっているものの、仮に配線が増えても裏のスペースが足りない事態には陥らないだろう。(そもそも2.5/3/5ドライブはPSUカバーの下である為配線が表に出ることはないが)

また、1万円以下の安価ケースではあるものの、メンテナンスホールや裏配線スペースに至るまで気になるけがをしそうないわゆる”バリ”はなかった為、ケース加工のクオリティも悪くない印象。

裏配線汚い問題は容赦してほしい。見えないところは頑張らなくてよかろう精神である。

鉄板の厚みは若干薄く、持った感じも軽いのでやはり高級ケースの重厚感からは程遠く、現実に引き戻される印象だが、この価格であれば致し方なしであろう。

デメリット

続いてこのケースに関するデメリットを紹介する。

当ケースの購入を検討しているユーザーがぜひとも今章を吟味したうえで実際購入に進んでいただきたい。

  • MicroATXで組み込み時にケースファンが絶妙に干渉するので一旦外す必要
  • ファンがARGBではないためカラー制御不可
  • 付属ファン回転数早くてうるさい&制御不可

パーツ干渉

当製品はミニタワーケースとして著しく小型という訳ではないはずなのだが、PSUカバーで区切った上、カバー上に25mm厚の通常ファンが搭載されてしまっているためそれを活かそうとするならば、MicroATXが対応可能である旨を謳って販売されている現状は正直意地悪なのではないかというほど使用制限が起こる。下記の画像を見てほしい。

前述のPC構成リストにも記載した通り筆者はこのケースをMicroATXにて組み立てた。

画像青枠線で囲んでいるのは隠れているPCI Express x16の2スロット目である。

御覧の通りボトムのファン2つを活かすのであれば、2スロット目は例え1スロカードであっても犠牲にせざるを得ず、そうした使用制限が起こるのであればITXマザーと拡張性がほぼ変わらずMicroATXをこのケースで選ぶ理由は価格以外に存在しなくなる

他にも組み立て時に気になった点・注意点を画像と共に紹介する。

中型以上のサイドフロークーラー取り付けた後だと小型ドライバーでもうまく取り回せない。またわかりづらいがケースファンの奥にマザーがあることからわかるように、いったん搭載ファンを外さないとMicroATXは入らない。上か下のファンは必ず外した状態かつクーラーはマザー固定後に行おう。
CPU8ピンはマザー固定後だと非常に取り付け困難なほど他のパーツとのクリアランスがない。「我こそは世界一の指細人間である」という自信がないユーザーは必ずプラグインケーブルを取り付けてからケースにマザーを固定すべし。
他と言える状況は同じだが、ピンヘッダもファンが外れた状態で取り付け、その後ファンを戻そう。
ファンの搭載数から「もしや240mmラジエーター使えるのでは??」と思われるユーザーもいるだろう、だがマザーのI/Oパネルヒートシンクと干渉し無理である。(公式ページにもリア120mm以外対応していない旨は記載済み※国内販売代理店のリンクス製品ページより)

搭載ファンはARGBではない

ここに関しては購入前から分かることなので今回は納得の上で購入したものの、RGBとARGBについてまだよくわからない自作初心者向けにざっくりいうと、他のLEDパーツとの色制御を行うことができるのがARGB(アドレッサブルRGB)である。当製品はそれができないただのRGBファンである。

正直そのあたりのコストカットあっての1万円未満ピラーレスホワイト(白)ケースなのだろう。

LED周りでおまけを言うと、電源ボタンが青いLEDで古臭い。USB3.0は通常青なのに対して、きちんと白で統一するこだわりを見せているにもかかわらずだ。残念である。ここが前述のデザイン95点にした所以だ。5点減点。

USB3.0コネクタは白い。さすがのこだわりだ。だがなぜ電源LEDは青いままにしたのだろうか。探検隊はその謎を解き明かすためにアマゾンの奥地へ向かって帰ってくることはなかった。

ファンの騒音・回転制御ができない

煩い。以上である。

ペリフェラルピンのファンの為回転数を制御できず、スペックシートに回転数が見当たらなかったものの、Ryzen 5 8600Gに付属していたWraithクーラーよりうるさいので相当だ。

iOSの無料アプリでの騒音測定のため参考値だが、CPUクーラーのAK400を測定した際はアイドル時30dB台中盤な
のでこの騒音が固定だとさすがに耳につく

ところで代理店であるリンクスのページにはファンの詳細について以下のように”fixed mode RGBファン”という記述がある。

参照元:リンクスの製品ページ
参照元:リンクスの製品ページ

”fixed mode”というのはつまり固定モードという意味なのでライティングも回転数も弄れないであろうことは購入前に理解できるが、回転数(RPM)の記載などがあるとスペック表としてはなおうれしいところではある。

このケース自体作りもよく、デザインもおおむね洗練されておりコスパもよいので購入したいユーザーはぜひとも回転制御可能かつARGBファンへの換装も視野に入れておこう。もっと言うなら20mm厚未満のファンを選択するとより取り回しが楽になるだろう。

まとめ

長くなったがこのケースはスタイリッシュなデザインで昨今トレンドの白いピラーレスケースのコスパモデルということで価格.comでもランキング1位~2位にランクインするほどの注目ケースであるが、購入前に注意しておかなければならない点が多く、中々「自作初心者」が買うべきではないPCケース製品であると本記事では結論付けたい。

それでもこの記事を読んでいただいて、「じゃあITXで組めば問題なさそうだな」とか、「ケースファンはARGBファンに換装するか」となっていただいた読者はぜひこのケースを購入検討してみてもいいかもしれない。

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