
ゲーミングPC用に9800X3D搭載モデルが欲しいんだけど高いしなあ。
動画編集とかはしないからゲーム特化でいいしX3Dモデルが最適だよね?

(ZACK IT編集)
そうね。X3Dはキャッシュが利くアプリで最大の効果を発揮するから主にゲームが多いね。7800X3D安くなってきたし狙うのもありだけど…Ryzen 5 9600X3Dも出てきそう。
Ryzen 5 9600X3Dの存在が明らかに
AMDの公式サポートページにおいて、これまで未発表であった「Ryzen 5 9600X3D」の製品名が突如としてリストアップされた。これは、グラフィックスカードのドライバー互換性リストに記載されていたものであり、公式な発表に先駆けてその存在が明らかになった形である。この発見は、AMDが今後、ゲーミング性能を大幅に向上させる3D V-Cache技術を搭載したミドルレンジCPUの拡充を進めていることを強く示唆している。
「X3D」の名称は、AMD独自の3D V-Cache技術が搭載されていることを意味し、これは主にゲーム性能において絶大な効果を発揮する。従来のRyzenプロセッサと比較してL3キャッシュ容量を大幅に増強することで、ゲーム内のデータアクセスを高速化し、フレームレートの向上に寄与する仕組みだ。特に、PCゲーマーにとって、この3D V-Cache技術は、CPU選択における重要な要素となっており、Ryzen 5 9600X3Dの登場は、より多くのユーザーがこの恩恵を受けられるようになる可能性を秘めている。3D V-Cacheがなぜゲームに強いか?を説明した記事も用意しているので、PCゲーマーとして興味があればぜひ参考にしてほしい。
Ryzen 5 9600X3Dの性能は?
Ryzen 5 9600X3Dは、AMDの最新Zen 5アーキテクチャを採用し、6コア12スレッド構成となる見込みである。
Ryzen 9 9950X3D | Ryzen 9 9900X3D | Ryzen 7 9800X3D | Ryzen 5 9600X3D | |
---|---|---|---|---|
コア数 | 16 | 12 | 8 | 6 |
スレッド数 | 32 | 24 | 16 | 12 |
ベース クロック | 4.3GHz | 4.4GHz | 4.7GHz | ? |
ブースト クロック | 最大5.7GHz | 最大5.5GHz | 最大5.2 GHz | ? |
合計Cache (L2+L3) | 144MB | 140MB | 104MB | 96MB? |
PCIe | Gen 5 | Gen 5 | Gen 5 | Gen 5 |
TDP | 170W | 120W | 120W | 65W? |
Ryzen 5 9600X3Dは現在市場を限定した形で展開されているRyzen 5 7600X3Dの後継品として登場予定だ。スペックも7600X3DからはZen5コア搭載以外で大きく変わらないと思われる。
従来の非X3Dモデル、Ryzen 5 9600Xと比較した場合、3D V-Cacheの搭載により、ゲームにおけるロード時間の短縮やフレームレートの安定性向上といったメリットが顕著に現れることが予想される。これは、前世代のRyzen 5 7600X3Dが、上位モデルであるRyzen 7 7800X3Dに迫るゲーミング性能を発揮していたことからも裏付けられる。Zen 5アーキテクチャのIPC(Instruction Per Cycle)向上も相まって、シングルスレッド性能も強化され、全体的な応答性の向上が見込まれるだろう。しかし、一部の最新ゲームでは8コアCPUを実質最低要件とするタイトルも出始めており、6コア構成が将来的に足かせとなる可能性も考慮に入れる必要がある。それでも、多くのe-Sportsタイトルや既存のAAAタイトルにおいては、依然として高いパフォーマンスを発揮すると考えられる。
Ryzen 5 9600X3Dの発売日と国内価格は?
Ryzen 5 9600X3Dの具体的な発売日や価格については、現時点ではAMDからの公式な発表はない。また前述の通り前世代のRyzen 5 7600X3Dが日本国内で未発売出る前例から、Ryzen 5 9600X3Dが国内で発売する可能性に各省が持てない状況だ。
とはいえ、現在販売されているRyzen 5 7600X3Dが米国の一部販売店で約300ドル(約4万円台中盤[税別])で販売されていることからもし日本国内にも並ぶことになれば、ドル価格で見ても9800X3Dよりかなり安価に入手可能なX3Dモデルとなるため一定の人気は博すことになりそうだ。

まとめ
本記事では、AMDの公式ページからその存在が明らかになった未発表CPU、Ryzen 5 9600X3Dについて、現時点で判明している情報を詳細に解説した。このCPUは、最新のZen 5アーキテクチャと、ゲーミング性能を飛躍的に向上させる3D V-Cache技術を組み合わせた、6コア12スレッド構成のプロセッサである。大容量のキャッシュにより、特にゲームにおけるパフォーマンスの向上が期待でき、ミドルレンジゲーマーにとって非常に魅力的な選択肢となるだろう。
一方で具体的な発売日や価格についてはまだ公式発表がないものの、2025年の近い将来入手可能になることが期待される。6コアというコア数には、一部の最新ゲームでの懸念も残るが、多くのタイトルやEスポーツにおいては十分な性能を発揮すると考えられる。AMDがこのRyzen 5 9600X3Dを市場に投入することで、より幅広いユーザー層に高性能ゲーミングPCの選択肢を提供し、ミドルレンジCPU市場での存在感を一層高めることになるだろう。今後のAMDからの正式発表に注目が集まる。