
AMD Ryzenで去年組んだPCがGen 5 SSDが使えるモデルっぽいんだよね。Gen 5 SSDって実際どうなん?
価格高い上に、熱くてどでかいヒートシンク積まないと実用できないレベルだとちょっと困るけど。

(ZACK IT編集)
ちっちゃいCPUクーラーでも載せてるんかっていうの見ると敬遠したくなるよね。
でも今回検証したKIOXIA(キオクシア)のEXCERIA PLUS G4は、思ってたよりも低発熱で扱いやすい感じだった。
今回検証するKIOXIA(キオクシア)製品について
KIOXIA(キオクシア)は、世界有数のフラッシュメモリ専業企業で、メモリおよびストレージ製品を展開するグローバル企業。例えばIntel(インテル)も過去CPU事業のほかにクライアント向け及びサーバー向けのSSDを開発・製造をしていたが、のちに韓国のSK HynixへNAND事業ごと売却している。フラッシュメモリ事業は競争が激しい分野で、専業プレイヤーとして君臨している数少ない国内メーカー。NANDの製造も四日市工場や北上工場など国内拠点にも多くある。
長年にわたり培ってきた技術力と実績を背景に、個人向けのクライアントPC向けSSDからエンタープライズ向けの高度なソリューションまで、幅広い製品を提供している。
KIOXIA(キオクシア)のSSD製品に関する評判は?
特に自作PC市場においても、その高い品質と信頼性から多くの支持を得ており、自作PC市場においても重要なプレーヤーとしての地位を確立している。
キオクシアのSSD製品に関する評判は、一般的に価格重視というよりも主に「安定性」や「信頼性」で評価を得ている。現在に至るまで投入されてきた製品の品質の高さと安定した性能が評価されており、「信頼できるブランド」というイメージを持つユーザーが多い。幅広いラインナップを展開しており、メインストリームモデルからハイスペックモデルまで、ユーザーのニーズや予算に応じた選択肢が用意されている点も魅力の一つだ。今回提供いただき検証をする「EXCERIA PLUS G4」はこれらのラインナップ中でハイスペックモデルにセグメントされる機種だ。

EXCERIA PLUS G4のスペック概要と価格
「EXCERIA PLUS G4」は、容量が1TB/2TBのラインナップの2つが用意されている。500GBレンジこそないが、とはいえこれは昨今のPCゲームが1タイトル当たり100GB前後を超えることが珍しくなく、当然のトレンドであるといえる。
項目 | EXCERIA PLUS G4 1TBモデル | EXCERIA PLUS G4 2TBモデル | ※参考 EXCERIA PLUS G3 2TBモデル |
---|---|---|---|
インターフェース | PCI Express Gen5 | PCI Express Gen5 | PCI Express Gen4 |
タイプ | BiCS FLASH TLC | BiCS FLASH TLC | BiCS FLASH TLC |
Read (シーケンシャル) | 10,000MB/s | 10,000MB/s | 5,000MB/s |
Write (シーケンシャル) | 7,900MB/s | 8,200MB/s | 3,900MB/s |
TBW | 600TBW | 1,200TBW | 1,200TBW |
動作温度 | 0 ℃ (Ta) ~ 85 ℃ (Tc) | 0 ℃ (Ta) ~ 85 ℃ (Tc) | 0 ℃ (Ta) ~ 85 ℃ (Tc) |
保存温度 | -40 ~ 85 ℃ | -40 ~ 85 ℃ | -40 ~ 85 ℃ |
消費電力 (アクティブ時) | 5.3 W (typ.) | 5.3 W (typ.) | 5.3 W (typ.) |
価格(2025/5時点) | 16,880円 | 28,480円 | 18,980円 |
「EXCERIA PLUS G4」はインターフェースがGen 5接続となり従来のGen 4 SSD「EXCERIA PLUS G3」からシーケンシャルで約2倍のパフォーマンス向上を果たすが、アクティブ時の消費電力公称値がが同じ。これは電力効率の大幅向上を意味しており、ハイスペックかつ扱いやすいモデルとなっている。
また、書き込み耐久性を表す指標においても、TBW(Total Bytes Written:総書き込みバイト数)がモデルによって異なるものの、長期間にわたる使用に十分耐えうる設計となっている。ライバルのGen 5 SSDを見ても2TBモデルで1200TBWという数値は一般的な耐久性であるといえる。また、NANDはキオクシア独自のBiCS FLASH TLC搭載。Gen 5 SSDで価格がこなれてきたとはいえ、QLC NANDではなくTLCである点は好印象。個人的にはQLCでも大容量モデルを選択しておけばSLCキャッシュも大きめなことが多く困るシーンは少ないのだが、やはり大容量データの書き込みが頻繁に発生するクリエイティブ用途ではまだ書き込み速度の低下が少なく、かつ書き込み耐性も比較的高いTLCのほうが好まれる印象。
無料のSSDクローンソフトはついている?
Gen 5 SSDの導入検討をしているユーザーのほとんどは現在すでにGen 3/Gen 4 SSDをメインとして使用していると考えられる。やはりクリーンインストールが最もトラブルが少なく筆者もそうしてしまうの一人だが、SSDクローンで手っ取り早くシステム移管をしたいという人もいるだろう。
残念ながらキオクシア製品では無料で専用のSSD用クローンソフトの提供をは行っていない。
しかし、キオクシアは「SSD Utilityマネージメントソフトウェア」を無償で提供をしており、以下の機能が利用可能だ。
もしSSDのクローンを検討しているユーザーはサードパーティ製のアプリケーションで探す必要がある点は注意。
開封 搭載チップやコントローラーなど
早速開封をしていく。今回提供をいただき検証に使用するのは2TBモデルだ。

中を開けてみてみると、SSDを保護している緩衝材は他社ブランドでよく見るものだとプラスチック製のブリスターパッケージであることが多いが、本製品は紙製。


続いてSSDを取り出し、中のコントローラーやNANDチップを見ていく。あらかじめ断っておくが、基本的にSSDに貼り付けられたシールをはがす行為は保証の喪失を意味する可能性が高い。実際にはやらないことをおすすめする。
SSDのラベルシールを剥がそうとするユーザーの中には、「シールをはがしたほうが直接的にチップを冷却できるのでは?」と考えているのだろう。「EXCERIA PLUS G4」のラベルシールはヒートスプレッダを兼ねており、熱伝導性のある素材が裏面に張り巡らされているため、このまま上にヒートシンクなどを取り付けても効率よく冷却が可能のようだ。

シールをはがして見えるのは主にコントローラーとNANDチップ。コントローラーはPhison製を採用していることが伺える。

見る限りDRAMは非搭載のようだが、HMB機能により64MBがOSから割り当てられる。64MBという数値はコントローラーやNANDチップをコマンド上で確認できるツールで確認済み。
