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フレーム生成が当たり前の時代に!?メリット・デメリットを正しく理解してうまく使いこなす【DLSS/FSR/AFMF/Lossless Scaling】

フレーム生成が当たり前の時代に!?メリット・デメリットを正しく理解してうまく使いこなす【DLSS/FSR/AFMF/Lossless Scaling】 PC
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ゲーマー
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最近どいつもこいつもゲーム重すぎなんだよ…ハイエンドグラボ出るたびに新しい超解像技術出てきて旧世代置き去りだし。毎回世代ごとに買い替えなきゃダメかね?

Kotack<br>(ZACK IT編集)
Kotack
(ZACK IT編集)

超解像技術やフレーム生成はゲーム側で対応したりしなかったりだから難しいよね。
現在ユーザーが使用可能なアップスケーリング/フレーム生成機能を持つ技術をまとめてみた。グラボの世代に関係なく使用可能なものもあるから興味あったら試してみて。

本記事では、DLSS、FSR、AFMF、Lossless Scalingといった様々なアップスケーリングやフレーム生成機能を搭載した技術が乱立している現在の状況を整理。メリット・デメリットを分かりやすく解説しゲーミングライフをより堪能できる一助となる記事なのでぜひ最後まで読んでほしい。

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DLSS/FSR/AFMF/Lossless Scalingとは?各フレーム生成技術を解説

フレーム生成技術は、近年のゲームの高負荷化を解決する機能の一つで、フレームレートを向上させ、より滑らかな映像体験を提供するための技術だ。

一方、様々なフレーム生成技術が登場しており、ユーザーにとって悩ましい現状も否定できない。中でも代表的なものがDLSS、FSR、AFMF、Lossless Scalingだ。それぞれAFMF以外はアップスケーリング機能をも兼ね備える

DLSS(Deep Learning Super Sampling)

NVIDIAが開発したフレームレート向上技術で超解像とフレーム生成を併せ持つ。専用のAI(人工知能)処理チップTensorコアを活用し、低解像度でレンダリングされたフレームを高解像度にアップスケールしたり、中間フレームを生成したりすることが可能だ。

FSR(FidelityFX Super Resolution)

AMDが開発した超解像及びフレーム生成技術で、DLSSと同様に低解像度でレンダリングされたフレームを高解像度にアップスケールする。一方DLSSが専用のTensorコアを要するのに対し、FSRは専用コアを持たないGPUでも使用可能なため、AMD Radeonに加え競合グラフィックスカードであるNVIDIA GeForceでも一部利用可能だ。

AFMF(AMD Fluid Motion Frames)

FSRと同じくAMDが提供するフレーム生成技術で、既存のフレームの間に新しいフレームを生成することで、フレームレートを向上させる。ドライバー(AMD Software: Adrenalin Edition)側で処理する為ゲームシステムによる組み込みが不要。多くのゲームタイトルで利用できるメリットがある。

当サイトで検証した限りではDLSSやFSRとの重ね掛けが可能の為、潜在能力の塊。APU(高性能な内蔵グラフィックスを持つAMD CPU)とNVIDIA GeForce RTXを搭載し、CPU直結の映像端子(マザボ側)に繋ぐことでCPU内蔵グラフィックスをバイパスしDLSSもAFMFも併用可能。(ただし安定性の面で今後様々なタイトルで要検証)

Lossless Scaling

新進気鋭のサードパーティー製アップスケーリング・フレーム生成機能搭載アプリケーションで、様々なゲームに対応可能としており、フレームレートを向上させる有料ソフト。金額は800円前後(セール時は更に安い)で恩恵を受けられるゲームでは導入ハードルの低さとコスパが最も高い(ただしAFMF 2を利用可能なRadeonやAPU利用時にはAFMFに分がある)

フレーム生成機能のデメリットはないの?

フレーム生成技術は、ゲームのパフォーマンスを向上させるための有効な手段だが、デメリットは存在しないのだろうか。結論から言えばある。

  • 入力遅延
  • ゴースト(残像)
  • 互換性の問題

例えば、入力遅延については、GPUが1枚目と2枚のフレームを生成した後で中間のフレームをドライバーやアプリ側で処理する関係上必ず遅延が発生する。

分かりやすく解説する為に1秒間に100フレームを処理するGPUがあるとする。100分の1秒(1/100)目と100分の2秒(2/100)目に1枚目と2枚目がGPUの処理によりネイティブで生成される。もしフレーム生成がオフであればこれで映像出力側(ディスプレイ)に信号を送って完了だ。しかしフレーム生成を中間で1枚発生させるためには、この100分の1秒(1/100)目と100分の2秒(2/100)目に描画した画像から破綻しないように後から中間フレームを生成する為、確実に遅延は発生する(中間フレーム生成速度はアプリ側とGPU側に依存する)。

AFMFやLossless Scalingは数字の順番でフレームが生成されていくのが一番イメージしやすいと思う。要はフレーム生成がない時より遅延があるのは仕組み上致し方ないこと。
AFMFやLossless Scalingは数字の順番でフレームが生成されていくのが一番イメージしやすいと思う。要はフレーム生成がない時より遅延があるのは仕組み上致し方ないこと。

逆に言えばネイティブのフレームレートが高ければ高いほどゲームの実プレイでは気にならないほどの遅延には収まる。Lossless ScalingがLSFG2.3からLSFG 3.0にアップデートを経て遅延が改善したことにも関係するが、アプリ側の最適化にも大きく依存することは明白だ。

ゴーストや残像でいえばモンハンワイルズオープンベータのFSRで報告されていたものが有名だろう。また、Lossless Scalingに搭載されたLSFG 2.3でもプレイアブルキャラのちらつき、残像は当サイトでも検証済み。しかしこれらはアプリ側の最適化不足が大きな原因で気にならない程度まで改善を施すことは可能で、LSFG 3.0ではちらつきや残像といった映像破綻については飛躍的な改善を果たした。

互換性はDLSSやFSRなど一部のフレーム生成技術の課題ではあるものの、今後対応ゲームが拡大していくことを期待するほかなく、AFMFやLossless Scalingといったゲーム側の対応を必要としない機能のシェアが拡大していく日も近いかもしれない。

まとめ

フレーム生成技術は、ゲームのフレームレートや画質を向上させるための有効な手段だが、デメリットも存在する。先述のデメリットが特に影響するのはFPSや格闘系の一部カテゴリーにはなるが、今後の技術革新に期待したい。フレーム生成技術を利用する際は、メリットとデメリットを天秤にかけつつ、自分のゲーム環境やプレイスタイルに合った方法をを選択することが重要だ。

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